【2026年版】経理の未来はAIでどう変わる?AI特化型会計事務所が教える4つの勝ちパターン

佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

「入力ミスを減らしたい」「もっと効率的に月次を締めたい」

そう願っていても、日々の膨大な事務処理に追われて一日が終わってしまう……。

そんな経理の現場に今、大きな変化をもたらしているのがAIです。

今回は、経理の現場で特に活用しやすい具体的なAI活用事例を4つご紹介します。

3分あれば読み終えることができ、読み終えるころには、あなたの作業効率を最低でも2倍以上に近づいていることをお約束します。

「AIって難しそう」と感じている方でも、すぐにイメージできる内容に絞ってまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

領収書や明細の記帳業務を自動化する

経理業務の中でも、特に時間を取られやすいのが領収書や利用明細の入力作業です。

紙の領収書を見ながら、日付・金額・支払先・内容を確認し、一件ずつ会計ソフトや表計算ソフトへ入力する。

この作業は件数が増えるほど負担が大きくなり、単純作業でありながらミスも起こりやすくなります。

たとえば、

  • 金額の入力ミス
  • 日付の読み違い
  • 支払先の記載揺れ
  • 軽減税率や税区分の確認漏れ

といったミスは、後からの修正にも手間がかかります。

そこで役立つのが、AIによる画像・PDFの読み取りとデータ化です。

スマホで撮影した領収書画像や、PDF形式のカード利用明細・請求書をAIに読み込ませることで、必要な情報を自動抽出し、一覧データとして整理することができます。
手入力に比べてスピードが格段に上がるだけでなく、入力ルールを統一しやすくなるのも大きなメリットです。

たとえば、AIを活用すれば次のような流れで実現できます。

  1. 領収書を撮影またはPDFをアップロードする
  2. 日付、金額、取引先、内容を抽出する
  3. 会計ソフトへ取り込みやすい形に整える
  4. 人が最終チェックをして登録する

この流れを作っておくだけで、記帳業務の初動がかなり楽になります。

もちろん、AIが読み取った内容を100%そのまま信じるのではなく、最終確認は必須です。
ただし、ゼロから手で入力するのと、AIが整理したものを確認するのとでは、作業負担はまったく違います。

実際、これまで半日以上かかっていた記帳準備が、AIを使うことで1時間前後まで短縮できるケースもあります。
特に、領収書の枚数が多い会社や、複数人分の経費精算をまとめて処理する担当者には相性の良い使い方です。

具体的な手順やおすすめのツールについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

悩ましい勘定科目の判断はAIに“壁打ち”する

経理担当者が意外と時間を使うのが、勘定科目の判断に迷う場面です。

たとえば、

  • この支出は「消耗品費」なのか「雑費」なのか
  • 会食代は「交際費」なのか「会議費」なのか
  • 外注への支払いは「業務委託費」なのか「支払手数料」なのか
  • この費用は資産計上すべきか、費用処理で良いのか

こうした判断は、社内ルールや金額、支出目的、継続性などによって変わるため、経験が浅いと特に迷いやすいポイントです。

そのたびに過去の処理を調べたり、上司や税理士に確認したりしていると、1件ごとの時間は短くても、積み重なるとかなりの負担になります。

そんなときに便利なのが、AIを“壁打ち相手”として使う方法です。

たとえば、次のように質問します。

「取引先との打ち合わせ時に発生した飲食代8,000円があります。参加者は自社2名、先方2名です。想定される勘定科目と、その判断理由を教えてください。」

あるいは、

「社内で使用するマウス、キーボード、Webカメラを合計18,000円で購入しました。適切な勘定科目候補を複数挙げて、使い分けも説明してください。」

このように具体的に聞くと、AIは候補となる勘定科目と、その理由、判断の観点を整理して返してくれます。

ここで重要なのは、AIに最終判断を委ねるのではなく、判断材料を整理してもらうことです。
税務や会計処理は、会社ごとの運用ルールや顧問税理士の方針によっても変わるため、最終的な決定は必ず人が行う必要があります。

ただ、事前にAIで論点整理をしておくだけでも、

  • 何が判断ポイントなのか分かる
  • 顧問税理士に相談するときに説明しやすい
  • 社内確認がスムーズになる
  • 過去処理との比較がしやすくなる

といったメリットがあります。

つまりAIは、経理担当者の代わりに答えを出す存在というより、相談前の整理を手伝ってくれる優秀なアシスタントとして使うのが最適です。

特に、イレギュラーな支出や新しい取引が発生したときには、この“壁打ち”の使い方が非常に効果的です。

スプレッドシートの関数や集計作業を日本語で指示する

経理の現場では、会計ソフトだけでなく、GoogleスプレッドシートやExcelを使った集計・加工も欠かせません。

たとえば、

  • 複数のデータを突き合わせる
  • 条件に合うものだけを抽出する
  • 月別・部門別に集計する
  • 重複データをチェックする
  • エラー箇所を見つける

といった作業は日常的に発生します。

しかし、そのたびに複雑な関数を調べたり、数式エラーに悩んだりしていませんか。
VLOOKUP、XLOOKUP、IF、SUMIFS、FILTER、QUERYなど、便利な関数は多い一方で、慣れていないと組み立てに時間がかかります。

そこで活躍するのが、AIに日本語で依頼して関数や処理方法を提案してもらう使い方です。

たとえば、

  • 「A列の取引先コードと別シートのマスタを照合して、会社名を表示したい」
  • 「金額が10万円以上のデータだけ抽出したい」
  • 「売上データを月ごとに集計したい」
  • 「空欄や重複がある行を見つけたい」
  • 「この関数のエラー原因を分かりやすく教えてほしい」

といった依頼を、日本語のままAIに投げかけることができます。

GoogleスプレッドシートとGoogleのAIであるGemini(ジェミニ)を組み合わせれば、こうした依頼に対して関数候補や処理の考え方を提案してもらいやすくなります。
「何をしたいか」は分かっているのに、「どの関数をどう書けばいいか」が分からない場面で特に便利です。

また、AIは単に関数を出すだけでなく、

  • この関数を使う理由
  • 他の関数との違い
  • エラーになりやすいポイント
  • よりシンプルな別解

まで説明してくれることがあります。

これは、単発の作業が早くなるだけでなく、担当者自身のスキルアップにもつながるという点で非常に大きな利点です。関数を丸暗記する必要はありません。
今後は、「やりたい処理を日本語で伝え、AIに下書きを作ってもらい、自分で確認して使う」という進め方が、経理業務においても当たり前になっていくでしょう。

データ分析・報告資料のたたき台作成までAIに任せる

経理の仕事は、入力や仕訳だけでは終わりません。
むしろその先にある、数字を読み解き、社内外に分かりやすく伝えることも非常に重要です。

たとえば、

  • 月次の売上や利益の増減をまとめる
  • 前年同月比を比較する
  • 資金繰りの状況を整理する
  • 銀行提出用の説明資料を作る
  • 経営陣向けに業績報告をまとめる

といった業務では、単なる集計だけでなく、文章化や見せ方の工夫まで求められます。

ここでもAIは大きな力を発揮します。

たとえば、集計済みの数字を渡したうえで、

  • 「今年の利益率を計算して、前年との違いを整理して」
  • 「過去3年間の売上推移を見て、増減要因を説明する文章を作って」
  • 「銀行に提出するための業績説明のたたき台を作って」
  • 「役員会向けに、要点を3つに絞ってまとめて」

と依頼すれば、分析や文章化の土台を作ってくれます。

もちろん、AIは実際の経営背景や社内事情まで完全には理解できません。
そのため、出てきた文章をそのまま提出するのではなく、事実関係やニュアンスを確認し、自社の状況に合わせて調整することが必要です。

しかし、ゼロから文章を考えるより、たたき台があるだけで作業スピードは大きく変わります。

特に経理担当者の方からは、

  • 何を書けばよいか分からない
  • 数字はあるが説明文に落とし込めない
  • 資料作成に時間がかかる
  • 表現を毎回考えるのが大変

という悩みをよく聞きます。AIは、こうした「考え始めるまでに時間がかかる作業」を一気に前に進めてくれる存在です。
数字の集計は人間が確認し、分析の視点や文章の叩き台はAIに手伝ってもらう。
この役割分担ができるようになると、経理は単なる処理担当ではなく、より付加価値の高い業務に時間を使えるようになります。

AIを用いた財務分析については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

AIを経理業務で使うときのポイント

ここまで4つの活用例をご紹介しましたが、実際に導入する際にはいくつか意識しておきたいポイントがあります。

1. 最終確認は必ず人が行う

AIは非常に便利ですが、誤読や誤解釈、事実に基づかない出力が起こることもあります。
特に会計・税務・法務に関わる内容は、必ず人がチェックし、必要に応じて専門家へ確認することが重要です。

2. いきなり全部を任せない

最初から大きく業務を変える必要はありません。
まずは、領収書の整理、関数の相談、文章のたたき台作成など、失敗リスクの低い部分から試すのがおすすめです。

3. 質問の仕方を具体的にする

AIは、質問が具体的であるほど精度の高い回答を返しやすくなります。
「これどうすればいい?」ではなく、
「何を」「どの条件で」「どうしたいのか」まで伝えることで、実務で使いやすい答えが得られます。

4. 社内ルールとの整合性を取る

AIが提案した方法が、必ずしも自社の運用ルールに合うとは限りません。
勘定科目の基準、承認フロー、資料フォーマットなど、社内基準に照らしながら使うことが大切です。

おわりに:AIを味方につけて、経理の「本来の価値」を高めよう

いかがでしたでしょうか。経理の現場ですぐに活かせるAIの活用事例を4つご紹介しました。

「AIに仕事を奪われるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、経理業務においてAIは「経理担当者を単純作業から解放し、本来のスキルを発揮させてくれる頼もしい相棒」です。

AIに下準備を任せ、空いた時間で数字の分析や社内への提案に時間を使えるようになれば、経理部門は会社にとってさらに価値のある存在になります。

とはいえ、「自社だけで新しいツールを試したり、業務フローを見直したりする余裕はない…」というのが現場のリアルな悩みですよね。

私たちaccompany(アカンパニー)は、AI導入の専門コンサルティング会社ではありません。しかし、日々の税務・会計サポートをご契約いただいているお客様には、私たちが現場で実際に使って「本当に役立った」AI活用法や、業務効率化のノウハウをざっくばらんにお伝えしています。

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。