不動産オーナー必見!家賃保証会社からお金を受け取った・預かった時の勘定科目と正しい会計処理

佐藤修一

こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。

マンション経営をされる不動産オーナー様から、「家賃保証会社とやり取りしたお金の勘定科目はどうしたらいい?」「紹介料に消費税はかかるの?」というご質問をよくいただきます。

実は、借主よりも貸主である大家さんの経理こそ、ミスやトラブルが発生しやすいポイントです。処理を誤ると、「預かった保証料を売上に誤計上して税金を多く払いすぎる」「紹介料の消費税を見落として税務調査で指摘される」といったリスクが生じます。

保証会社関連のお金は、以下の状況によって科目や消費税の扱いが全く異なります。

  • 入居者の保証料を一時的に預かって送金する場合
  • 保証会社から代理店手数料(紹介料)を受け取る場合
  • 家賃滞納があり、保証会社から代位弁済金が入る場合

今回は、不動産オーナー様が知っておくべき上記3パターンの具体的な仕訳例から消費税の注意点まで、税理士が分かりやすく解説します。

※前回、借主が家賃保証料を支払った際の記事を書いています。今回の貸主が家賃保証料を受け取った際の会計処理と対になる取引です。不動産オーナー様にとって参考になると思いますので是非こちらの記事も読んでみてください。

自社の経理をご自身で行っておられる不動産オーナー・経営者の方へ

Accompanyは、「税金だけを減らす節税」ではなく、「会社とオーナーにお金を残す節税」を大切にしています。
決算書・申告書をベースに、貴社にとって本当に意味のある選択肢を一緒に整理していきます。

家賃保証に関して不動産オーナーにお金が入る「3つのパターン」

家賃保証料とは、家賃保証会社と契約を結ぶ際、又は契約を更新する際に支払う費用のことです。

家賃保証料を支払っている場合において、もし、借主が家賃を滞納してしまったとしても、保証会社が代わりに大家さんへ家賃を立て替え払い(代位弁済)する仕組みになっています。

近年では、賃貸契約の条件として保証会社への加入を必須とする物件が非常に増えてきています。

【パターン①】入居者の保証料を一時的に預かって保証会社へ送金する場合

勘定科目は「預り金」で処理(賃貸収入にしない!)

大家さんが入居者から初回保証料(例:30,000円)を家賃と一緒に引き落とし、あとから保証会社へ送金(代行受領)するケースです。

ここでの最大の落とし穴は、預かった保証料を「賃貸料(売上)」に計上してしまうことです。

売上にしてしまうと所得が増え、所得税や法人税を無駄に多く払うことになります。必ず「預り金」(または立替金・仮受金でも可)として処理しましょう。

【仕訳例】入居者から預かり、保証会社へ支払ったとき

入居者から家賃80,000円と保証料30,000円が口座に振り込まれたとき

【借方】普通預金 110,000円  【貸方】賃料 80,000円

               【貸方】預り金 30,000円

② 後日、保証会社へ保証料30,000円を送金したとき

【借方】預り金 30,000円  【貸方】普通預金 30,000円

【パターン②】保証会社から「紹介料・代理店手数料」を受け取った場合

大家さんが保証会社の代理店となっており、入居者が保証契約を結んだことに対するキックバック(紹介料や事務手数料)を受け取るケースです。

勘定科目は「雑収入」や「受取手数料」

本業の家賃収入とは区別するため、「雑収入」や「受取手数料」で処理するのが一般的です。

注意!大家さんがもらう紹介料は「課税売上」

消費税の処理で非常に間違いが多いのがこのパターンです。

入居者が保証会社に払う家賃保証料自体は「非課税取引」ですが、大家さんが保証会社から受け取る紹介料は、役務の提供に対する対価となるため「課税売上」となります。

これを非課税売上として処理してしまうと、消費税の申告漏れとなり税務調査で指摘される原因になるため注意してください。

【仕訳例】保証会社から紹介料11,000円が振り込まれたとき

【借方】普通預金 11,000円  【貸方】雑収入 11,000円

【パターン③】家賃滞納があり、保証会社から「代位弁済金」が振り込まれた場合

入居者が家賃を滞納し、家賃保証会社が代わりに大家さんへ家賃を立て替え払い(代位弁済)してくれたケースです。

勘定科目は保険金ではなく「通常の家賃」と同じ

保証会社からお金が入ったからといって、「雑収入」などに変える必要はありません。

通常通り「賃貸料(または賃料)」として計上します(すでに滞納分を未収計上していた場合は「未収金」を消し込みます)。

消費税についても、通常の家賃と同じ扱いです。

居住用アパートの家賃分なら「非課税」、事務所や店舗などの事業用テナントの家賃分なら「課税売上」となります。

【仕訳例】滞納分の家賃80,000円(居住用)が保証会社から振り込まれたとき

【借方】普通預金 80,000円  【貸方】賃貸料 80,000円  (※非課税売上)

※なお、立て替え払いの際に「遅延損害金」が上乗せして支払われた場合、その遅延損害金部分は消費税法上「非課税」として扱われます。

不動産オーナーが間違いやすい税務ポイントまとめ

家賃保証会社にまつわる大家さんの経理処理ポイントをまとめます。

  • 預かった保証料は売上にしない(預り金で処理して税金の払い過ぎを防ぐ)
  • 保証会社からもらう紹介料は「課税売上」になる(消費税の申告漏れに注意)
  • 代位弁済金は通常の家賃と同じ勘定科目・消費税区分で処理する

特に「紹介料の消費税漏れ」と「預り金の売上誤計上」は、オーナー様ご自身で会計ソフトに入力されている場合に非常に起こりやすいミスです。

自社の入出金明細と契約内容をしっかり確認し、適切な会計処理を行いましょう。

佐藤修一

参考になりましたでしょうか。

Accompany(アカンパニー)では、今回の賃貸契約をはじめ、不動産取引に伴う複雑な会計処理から、最新の税制改正に対応した的確な節税アドバイスまで、お客様の状況に合わせた実践的なサポートを行っております。

私たちは「税金だけを減らす節税」ではなく、「会社とオーナーにお金を残す節税」を何よりも大切にしています。

事業用不動産の購入や移転、不動産投資をご検討の際、また日々の経理処理でお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。貴社にとって本当に意味のある最適解を一緒に整理していきます。

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佐藤 修一

税理士法人Accompany 代表

(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。