
こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。
「キャンペーンの景品としてAmazonギフト券を購入したけれど、何費で処理すればいいの?」 「取引先へのお礼でギフト券を渡した時の勘定科目は?」「消費税の処理はどうなるの?」
個人事業主や企業の経理担当者の方で、このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。利便性の高いAmazonギフト券は、ビジネスシーンでも使われる機会が増えていますが、いざ経理処理となると迷ってしまいますよね。
結論から言うと、Amazonギフト券の勘定科目は「誰に」「何の目的で」渡すかによって変わります。また、消費税の取り扱いにも特殊なルールがあるため注意が必要です。
この記事では、Amazonギフト券を購入した際の目的別の勘定科目、具体的な仕訳例、消費税の区分、そして税務調査で指摘されないための注意点をわかりやすく解説します。迷わず正しい処理ができるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
自社の経理をご自身で行っておられる経営者の方へ
Accompanyは、「税金だけを減らす節税」ではなく、「会社とオーナーにお金を残す節税」を大切にしています。
決算書・申告書をベースに、貴社にとって本当に意味のある選択肢を一緒に整理していきます。
目次
結論!Amazonギフト券の勘定科目は「目的」で決まる
Amazonギフト券に限らず、商品券などの金券類を経理処理する際に最も重要なのは「目的」です。
商品券やギフト券は原則として「購入時」ではなく「使用・配布時」に経費になる
まず、大前提として覚えておきたいのが、Amazonギフト券は「購入したタイミング」ではなく、「使用した(相手に渡した)タイミング」で経費になるということです。
そのため、購入した時点では一旦「貯蔵品」や「前払金」といった資産の科目で計上し、実際に配ったり使ったりした時に、それぞれの目的に応じた経費の勘定科目に振り替えるのが正しい処理となります。(実務上は、すぐに配布する場合には購入時にそのまま経費計上することもあります。)
【一覧表】目的別の勘定科目まとめ
誰に、何の目的でAmazonギフト券を渡すのかによって、以下のように勘定科目を使い分けます。
| 渡す相手・目的 | 勘定科目の例 | 具体例 |
|---|---|---|
| 取引先・顧客(贈答用) | 交際費 | お中元、お歳暮、謝礼 |
| 不特定多数の顧客(販促) | 広告宣伝費・販売促進費 | SNSキャンペーンの景品、アンケート謝礼 |
| 従業員(慰安・表彰) | 福利厚生費・給与 | 社内イベントの景品、永年勤続表彰 |
| 自社(備品購入用) | 前払金・貯蔵品 | 自社の事務用品をAmazonで買うためにチャージ |
【目的別】Amazonギフト券を購入・配布した時の仕訳例
それでは、具体的なケースごとに仕訳の例を見ていきましょう。ここでは、購入時に一旦「貯蔵品」として計上し、後日配布したという前提で解説します。
【共通の仕訳:Amazonギフト券を10,000円分購入した時】
【借方】貯蔵品 10,000円 【貸方】現金 10,000円 【摘要】 Amazonギフト券購入
1.取引先やお客さまにお礼として渡す場合(交際費)
特定の取引先やお客さまへ、日頃の感謝や紹介のお礼としてAmazonギフト券を渡す場合は、「交際費(接待交際費)」を使います。
【仕訳例:取引先にお礼として10,000円分のギフト券を渡した】
【借方】交際費 10,000円 【貸方】貯蔵品 10,000円 【摘要】 〇〇株式会社へのお礼
2.キャンペーンの景品として不特定多数に配る場合(広告宣伝費など)
SNSのフォローキャンペーンの景品の景品や、アンケートの謝礼、商品購入の特典として不特定多数に向けて販促目的で配る場合は、「広告宣伝費」や「販売促進費」で処理します。
【仕訳例:キャンペーンのお礼として10,000円分のギフト券を配った】
【借方】販売促進費 10,000円 【貸方】貯蔵品 10,000円 【摘要】 〇〇キャンペーン景品
3.従業員へのプレゼントや社内イベントの景品にする場合(福利厚生費・給与)
従業員の結婚祝いや永年勤続表彰などで渡す場合は「福利厚生費」を使用できます。 ただし、Amazonギフト券は換金性が高いため、単なるお小遣いのような名目で渡すと「給与」とみなされ、所得税の課税対象になるリスクがあります。「社会通念上妥当な金額であること」「社内規定に基づき全従業員を対象としていること」などの要件を満たすよう注意しましょう。
【仕訳例:従業員に慶弔として10,000円分のギフト券を贈呈した】
【借方】福利厚生費 10,000円 【貸方】貯蔵品 10,000円 【摘要】 結婚祝社員〇〇へ贈答
4.自社の備品をAmazonで購入するためにチャージする場合(消耗品費など)
Amazonギフト券を使って自社の事務用品などを購入した場合は、購入した物品に合わせて「消耗品費」などで処理します。
【仕訳例:自社で購入しておいたギフト券10,000円分を使って、事務用品を買った】
【借方】消耗品費 10,000円 【貸方】貯蔵品 10,000円 【摘要】 事務用品購入
Amazonギフト券と「消費税」の正しい区分(課税・非課税)
Amazonギフト券の経理処理で最も間違いやすいのが「消費税」の区分です。以下のルールを必ず覚えておきましょう。
Amazonギフト券の「購入時」は【非課税】
Amazonギフト券を購入した時の代金には、消費税がかかりません。帳簿上の消費税区分は「非課税」となります。
これは、ギフト券を購入した時と、そのギフト券を使って商品を買った時の両方で消費税を取ってしまうと「二重課税」になってしまうためです。
Amazonギフト券を「使用して商品を買った時」は【課税】
自社でAmazonギフト券を使って事務用品などの物品を購入した時は、その物品に対して消費税がかかるため「課税仕入」となります。(取引先や顧客にプレゼントした場合は、自社で消費していないため「不課税」または「非課税」として扱います)
税務調査で指摘されないための経理処理の注意点
最後に、税務調査などでトラブルにならないための注意点を3つ紹介します。
購入時の領収書(レシート)を必ず保管する
Amazonでギフト券を購入した際の領収書や、クレジットカードの明細、決済完了のメールなどは、取引の証拠として法定期間に渡ってしっかりと保存しておきましょう。
「誰に」「いつ」「何の目的で」渡したかのリスト(配布記録)を残す
Amazonギフト券は金券と同じ扱いになるため、「いつ・誰に・何の目的で・いくら渡したか」を明確にする必要があります。とくに交際費や販売促進費とする場合、配布先のリストや送付記録を必ず残しておきましょう。社内で不正に消費されていないかの証明にもなります。
期末(決算時)に未使用のギフト券がある場合の処理
決算時(期末)に未使用のAmazonギフト券が手元に残っている場合、その未使用分は当期の経費(費用)として計上することができません。
購入した時に「交際費」や「販売促進費」などの費用科目で一括処理していた場合は、決算整理仕訳として「貯蔵品」などの資産科目に振り替える(経費からマイナスする)処理が必要です。これを「費用の繰延べ」と呼びます。
具体的な処理手順と仕訳の例は以下の通りです。
期末の決算整理仕訳(資産への振替)
【仕訳例:未使用分を当期の経費から取り消し、「貯蔵品」として来期に持ち越します】
【借方】貯蔵品 10,000円 【貸方】交際費 10,000円 【摘要】 未使用ギフト券振替
※消費税は購入時点で「非課税」となっているため、ここでも消費税の調整は不要です。
翌期首の再振替仕訳(費用への戻し)
【仕訳例:翌期がスタート時に前期末計上した未使用分を、再び本来の費用科目に戻す】
【借方】交際費 10,000円 【貸方】貯蔵品 10,000円 【摘要】 前期振替処理戻し
まとめ
Amazonギフト券は換金性が高いため、税務調査において「使途」や「処理の妥当性」が厳しく問われやすいアイテムです。実務では以下の3点を必ず押さえておきましょう。
- 目的別の勘定科目と期末処理
- 消費税区分の徹底
- 証拠書類の管理
税務リスクを排除し、健全な企業運営を行うためにも、ルールに基づいた正確な会計処理と厳格な管理体制を徹底しましょう。

参考になりましたでしょうか。
Amazonギフト券は、実際に相手に渡して(または使用して)初めて経費として認められます。
期末に利益が出そうだからといって慌てて大量購入しても、未使用のままでは今期の経費として計上することはできません。
まずは今年の着地予想(利益)を確認し、今期中に確実に消化できる妥当な金額かを把握してください。
もし来期以降のキャンペーン等で使用する予測が立つのであれば、無理に今期購入して経費化しようとせず、必要な時期に必要な分だけ手配するのが、税務リスクを回避する合理的な経営判断といえるでしょう。
具体的な購入規模や、他の交際費・販促費との兼ね合いで判断に迷われる場合は、事業計画に照らし合わせたシミュレーションを行うことをお勧めします。
今回の記事、是非参考にされてみてください。
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佐藤 修一
税理士法人Accompany 代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。







