
こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。
「確定申告はしたれども、納付するのををうっかり忘れてしまっていた。」「確定申告した後で、計上漏れに気づいてしまった。」
そのようなときに、まず気になるのは「延滞税はいくらかかるの?」ということではないでしょうか。
結論からお伝えすると、延滞税は「遅れた日数に応じた日割り」で増えていくため、1日でも早く本税を納めることが一番の節約になります。
この記事では、個人で確定申告をしている方に向けて、次のことを具体例つきでやさしく解説します。
- 延滞税の仕組みと、加算税との違い
- 2026年(令和8年)の延滞税の割合
- 自分でできる延滞税の計算方法
- 修正申告をした場合の延滞税の考え方
- 延滞税を最小限に抑えるための対処法
実際に確定申告後に納付忘れをしてしまったときはもちろん、今後、納付漏れをしてしまった場合にもとてもためになる記事になっています。是非、最後まで読んでください。
自社の経理をご自身で行っておられる不動産オーナー・経営者の方へ
Accompanyは、「税金だけを減らす節税」ではなく、「会社とオーナーにお金を残す節税」を大切にしています。
決算書・申告書をベースに、貴社にとって本当に意味のある選択肢を一緒に整理していきます。
目次
延滞税とは?まず知っておきたい基本
延滞税とは、税金を納期限までに納めなかったときに、遅れた日数に応じてかかる税金です。いわば「遅れたことに対する利息」のようなもので、罰金ではありません。
よく混同されるのが「加算税」です。加算税は、申告をしなかった・少なく申告したといった「申告の誤り」に対するペナルティです。延滞税とは性格が全く異なり、両方が同時にかかることもあります。
| 項目 | 延滞税 | 加算税 |
|---|---|---|
| かかる理由 | 納付が遅れたこと | 申告の誤り・遅れ |
| 性格 | 利息のようなもの | ペナルティ |
| 金額の決まり方 | 本税 × 割合 × 遅れた日数 | 追加の本税 × 一定の割合 |
| 主な種類 | 延滞税のみ | 過少申告加算税、無申告加算税、重加算税など |
なお、延滞税や加算税は、個人事業主の方は必要経費にはできません。(もちろん法人もできません)「経費になるから実質負担は軽い」ということはないので注意しましょう。
確定申告の納付期限はいつ?
所得税の確定申告の納付期限(法定納期限)は、原則として3月15日です。土日祝日にあたる場合は翌平日になり、令和7年分の所得税は2026年3月16日(月)が期限でした。(令和8年分の所得税は2026年3月15日(月)が期限です。)延滞税は、この法定納期限の翌日から日数が数えられます。
| 税目 | 令和7年分の法定納期限 |
|---|---|
| 所得税(復興特別所得税を含む) | 2026年3月16日(月) |
| 個人事業者の消費税・地方消費税 | 2026年3月31日(火) |
| 税目 | 令和8年分の法定納期限 |
|---|---|
| 所得税(復興特別所得税を含む) | 2027年3月15日(月) |
| 個人事業者の消費税・地方消費税 | 2027年3月31日(水) |
振替納税を利用している方へ
口座からの引き落とし(振替納税)を利用している場合、実際の引落日は例年4月中旬〜下旬です。引落日に正常に引き落とされれば、延滞税はかかりません。
ただし、残高不足などで引き落としができなかった場合は注意が必要です。この場合、延滞税は引落日の翌日からではなく、本来の法定納期限(令和7年の場合、3月16日)の翌日から計算されます。
延滞税の割合(2026年の最新税率)
2026年(令和8年)の延滞税の割合は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月を過ぎた部分が年9.1%です。2か月を超えると割合が3倍以上に跳ね上がるのが最大のポイントです。
延滞税の割合は市中金利をもとに毎年見直されます。2025年までは4年間同じ割合でしたが、金利の上昇を受けて2026年から引き上げられました。
| 期間 | 2ヶ月以内 | 2ヶ月経過後 |
|---|---|---|
| 2026年(令和8年) 1月1日〜12月31日 | 年2.8% | 年9.1% |
| 2022年(令和4年) 〜2025年(令和7年) | 年2.4% | 年8.7% |
| 2021年(令和3年) | 年2.5% | 年8.8% |
年をまたぐ場合の注意点
納付が遅れた期間が年をまたぐ場合は、それぞれの年の割合を使って区分して計算します。例えば、2025年12月から2026年2月まで遅れた場合、12月分は2025年の割合、1月以降は2026年の割合で計算します。
延滞税の計算方法【計算例つき】
延滞税は、次の式で「2か月以内の部分」と「2か月を経過した部分」を別々に計算し、合計して求めます。
延滞税 = 本税 × 年2.8% × (2か月以内の日数 / 365日) + 本税 × 年9.1% × (2か月超の日数 / 365日)
端数処理のルール
- 計算のもとになる本税に1万円未満の端数があるときは、切り捨てて計算します
- 本税が1万円未満のときは、延滞税はかかりません
- 計算した延滞税が1,000円未満のときは、納める必要はありません
- 延滞税に100円未満の端数があるときは、切り捨てます
例示①:本税10万円を約1か月遅れて納付した場合
2026年4月15日に納付したケースです。
遅れた日数は3月17日から4月15日までの30日間です。
100,000円 × 2.8% × 30日 ÷ 365日 = 約230円
1,000円未満なので、延滞税は納める必要がありません。
少額・短期間であれば、延滞税がかからないこともあります。
例示②:本税50万円を5か月遅れて納付した場合
2026年8月17日に納付したケースです。
「2か月を経過する日」は5月16日なので、期間を2つに分けて計算します。
| 期間 | 日数 | 割合 | 延滞税 |
|---|---|---|---|
| 3月17日〜5月16日 | 61日 | 年2.8% | 2,339円 |
| 5月17日〜8月17日 | 93日 | 年9.1% | 11,593円 |
| 合計 | 154日 | — | 13,932円 → 13,900円(100円未満切捨て) |
延滞税は13,900円です。期間別に日数を比較すると、約1.5倍の差ですが、期間別に延滞税を比較すると、その差は約5倍になっています。2か月を過ぎると一気に負担が増えることが分かります。
例示③:本税8,000円を遅れて納付した場合
本税が1万円未満なので、何日遅れても延滞税はかかりません。
ただし、納付を放置すると税務署から督促状が届きます。
未納の税金に対して、別の手続きが進むため、早めに納税することをお勧めします。
自分で計算するのが不安な方は
国税庁のホームページには「延滞税の計算方法」のページがあり、日数を入れて計算できる計算ソフトも用意されています。あわせて活用してください。
修正申告をした場合の延滞税
修正申告で増えた税額にも延滞税がかかり、その計算は「本来の法定納期限の翌日」から始まります。修正申告書を出した日からではない点に注意しましょう。
修正申告の「納期限」は提出日
修正申告の場合、追加で納める税金の納期限は、修正申告書を提出した日です。そのため、次のような扱いになります。
- 「法定納期限の翌日」から、「修正申告書の提出日の翌日から2か月を経過する日」までは、低い割合(2026年は年2.8%)
- 上記の日以降は高い割合(2026年は年9.1%)
つまり、修正申告書を提出した日に納付まで済ませれば、全期間が低い割合で計算されます。
計算例:修正申告で20万円の追加の納税額が出た場合
令和7年分を期限内に申告した後、2026年6月30日に修正申告をし、追加の本税が20万円になったケースです。
| 納付のタイミング | 計算 | 延滞税 |
|---|---|---|
| 提出日(6月30日)に納付 | 3月17日〜6月30日の106日 × 年2.8% | 1,600円 |
| 4か月後(10月30日)に納付 | 3月17日〜8月31日の168日 × 年2.8% + 9月1日〜10月30日の60日 × 年9.1% | 5,500円 |
同じ修正申告でも、納付を後回しにしただけで延滞税は3倍以上になることもありえます。修正申告と納付はセットで行うのがおすすめです。
1年以上前の申告を修正する場合(除算期間)
期限内に申告していて、法定納期限から1年を経過した後に修正申告をした場合は、延滞税の計算期間から一定の期間が除かれます。
除算される期間は、法定申告期限から1年を経過する日の翌日から、修正申告書の提出日(更正の場合は更正通知書の発送日)までの期間です。
結果として、延滞税がかかるのは「法定納期限の翌日から1年間」と「修正申告日(更正通知発送日)から納付日まで」の2つの期間に限られます。
過去の申告ミスに気づいた場合でも、延滞税が際限なく膨らむわけではありません。
ただし、偽りや不正による申告(重加算税の対象となる場合)には、この特例は適用されません
過少申告加算税との関係
修正申告をすると、延滞税とは別に「過少申告加算税」がかかることがあります。
ただし、税務署から調査の通知を受ける前に自主的に修正申告をした場合は、原則としてかかりません。
間違いに気づいたら、早めに自分から自主的に修正申告をすることが大切です。
期限後申告との違い
そもそも期限までに申告をしていなかった場合は「期限後申告」となります。
この場合は延滞税に加えて「無申告加算税」がかかることがあり、修正申告よりも負担が重くなりやすい点にご注意ください。
出典:国税庁 タックスアンサー No.9205「延滞税について」
延滞税を最小限にするための対処法
延滞税を抑える方法は、とにかく「早く本税を納めること」に尽きます。
状況に応じて、次の対処法を検討してください。
気づいたらすぐに本税を納付する
延滞税は本税を納めた日までの日数で計算されます。
延滞税の金額が分からなくても、まずは本税だけでも先に納めましょう。
延滞税は後から納付書などで通知されるので、その時点で納めれば大丈夫です。
修正申告は早めに、自主的に行う
申告の誤りに気づいたら、税務署から連絡が来る前に修正申告をしましょう。
延滞税の期間を短くできるうえ、過少申告加算税も原則かからなくなります。
一括で払えないときは猶予制度を相談する
一時に納付することが難しい場合は、「納税の猶予」や「換価の猶予」といった制度があります。
認められると分割での納付ができ、猶予期間中の延滞税が軽減されることもあります。
滞納のまま放置せず、早めに税務署へ相談することが大切です。

「納税の猶予」や「換価の猶予」の記事は、現在準備中です。
延滞税が免除されるケース
災害で納付できなかった場合など、やむを得ない事情があるときは、延滞税が免除されることがあります。
思い当たる事情がある場合は、税務署や税理士に確認してみましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 延滞税は自分で計算して、本税と一緒に払うべきですか?
A. 自分で計算して本税と一緒に納めることもできますが、必須ではありません。本税だけを先に納めれば、延滞税は後日、税務署から通知される金額を納めれば問題ありません。
Q. 1日遅れただけでも延滞税はかかりますか?
A. 制度上は1日でも遅れればかかります。ただし、延滞税が1,000円未満になる場合は納める必要がありません。例示①のように、少額・短期間なら実際には負担が生じないこともあります。
Q. 住民税や事業税の遅れはどうなりますか?
A. 住民税や個人事業税が遅れた場合は、延滞税ではなく「延滞金」がかかります。割合は国税とほぼ同じですが、低い割合が適用されるのは納期限の翌日から1か月までなど、計算期間が異なります。詳しくは各自治体の案内をご確認ください。
Q. クレジットカードで納付した場合、いつ納付したことになりますか?
A. 国税をクレジットカードで納付した場合は、専用サイトで納付手続きをした日が納付日になります。カードの引落日ではないので、期限ぎりぎりでも手続きさえ済ませれば延滞税はかかりません。ただし、決済手数料がかかる点にはご注意ください。
まとめ
延滞税は、早く納めれば納めるほど少なくて済む税金です。
最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- 2026年の延滞税は、2か月以内が年2.8%、2か月を過ぎると年9.1%に上がる
- 修正申告で増えた税金も、本来の法定納期限の翌日から延滞税がかかる。提出日に納付まで済ませるのがおすすめ
- 金額が分からなくても、まずは本税を先に納付する
「自分のケースだと延滞税はいくらになるのか」「修正申告の書き方が分からない」といったお悩みがあれば、お気軽に当事務所までご相談ください。状況をお伺いしたうえで、負担をできるだけ抑える方法をご提案します。
※本記事は2026年10月時点の法令・国税庁の公表情報にもとづいています。延滞税の割合は毎年見直されるため、最新の情報は国税庁ホームページでご確認ください。

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佐藤 修一
税理士法人Accompany 代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。







