
こんにちは。税理士法人Accompany代表の佐藤修一です。
お客様からのお問い合わせで、
「ゴルフ道具代はどの勘定科目を使えばよいか」という質問をいただくことがあります。
この記事ではゴルフ道具代の勘定科目・経費項目について解説しています。
目次
結論:経費の勘定科目であれば基本何でもいいです!
なぜなら、中小企業や個人事業主の方が勘定科目が間違っているからといって、税務署からペナルティを受けることは100%ないからです。
また、勘定科目の間違いによって銀行からの融資を断られることはよほどでない限りありえません。
よほど、ゴルフ道具代が多額でない限り、勘定科目の使い方で銀行融資の結果が変わることは100%ないと断言できます。
ただし、経費になるかどうかは慎重な判断が必要です。
経費になるかどうかの判断方法を次の記事でまとめていますので読んでみてください。
勘定科目は家計簿と同じで分かりやすさが大切
勘定科目を選ぶ際の基本的な考え方は、「分かりやすさ」です。
後から、今月は経費が多かったか、少なかったかを振り返った時に、会計ソフトを見て、経費が多かった原因・少なかった原因がすぐに、一目で分かるような勘定科目の使い方をするのがベストです。
マネーフォワード、freee、弥生会計、弥生Next、会計王などの一般的な会計ソフトでは勘定科目の名前を自由に決めることができます。
そして、その名前にルールはありません。
例えば、最近だと、サブスク系のツール、アプリ、システムに関する費用が増えています。
これらを「ツール代」として、新たに勘定科目を作って、管理すること何かは結構おすすめです。
要は、自分が把握しやすく、分かればいいのです!
特に最近は、マネーフォワード、freee、弥生Nextなど銀行口座やクレジットカードを連携するクラウド会計が利用しやすくなっており、「勘定科目」を選ぶだけで仕訳が完了するようになっています。
初めて会計ソフトに入力を始めた時に多くの方が悩む
「経費の勘定科目の使い方が分からない」
ですが、経費の勘定科目を選ぶ際は、肩の力を抜いて、自由にどんどん勘定科目を使って入力していただいた方が良いと思います。
ゴルフ道具代を支払った時のおすすめの勘定科目は
とは言いつつも、あまりに自由に毎回異なる勘定科目を使ってしまうと、損益計算書でを見たときに、支出が増えたり、減ったりした時にその理由が分かりにくくなってしまいます。
また、一度決めた勘定科目は、毎期継続して使用することが重要です(継続性の原則)。
昨日は「交際費」で、今日は「消耗品費」というようにバラバラにしてしまうと、期間比較が困難になり、税務調査時の説明も煩雑になります。
よって、ゴルフ道具代を支払った時に使うおすすめの勘定科目は、そのゴルフ道具の「金額」や「どのような目的で利用したか」によって使い分けましょう。
- 消耗品費:ゴルフボール、ティー、グローブなどの比較的少額なゴルフ用品や、取得価額が10万円未満のゴルフ道具など
- 工具器具備品:ゴルフクラブなど、長期間使用するもので、一定金額以上となるもの
- 交際費:取引先などへゴルフ用品を贈答した場合など
- 福利厚生費:従業員全体を対象とした社内レクリエーションなどのために購入した場合など
となります。
一般的に多いものは
「消耗品費」(しょうもうひんひ)
です。
ゴルフボールやグローブなどの少額なゴルフ用品であれば、「消耗品費」で処理するのが分かりやすいでしょう。
ただし、ゴルフクラブのセットなど、ある程度高額になるものについては、「消耗品費」ではなく「工具器具備品」として資産計上しなければならない場合があります。
また、「交際費」、「福利厚生費」でもいい場合がありますが、他の支出も含まれますので、増減があった時に一目で見て分かりにくくなることがあります。
そのため、通常の事業用として購入した少額なゴルフ道具については、「消耗品費」で処理するのが分かりやすいと思います。
ただ、「雑費」はあまりお勧めしません。
なぜなら、「雑費」は勘定科目の困った時の「最後の砦」的な勘定科目だからです。
「雑費」が増減したら、その原因が分かりにくいですし、「雑費」が多額になると、決算書を見たときの印象が良くないので注意して下さい。
雑費についての使い方は次の記事にまとめているので読んでみてください。
ゴルフ道具代を支払った時の経理処理
例えば、事業で使用するゴルフ用品を5万円で購入し、「消耗品費」として処理する場合の仕訳は、
(借方)消耗品費 50,000円 / (貸方)現金預金 50,000円
となります。
ただし、ゴルフクラブなど、1年以上使用することが予定されているものについては、購入金額によって経理処理が異なります。
取得価額が10万円以上の場合
ゴルフクラブなど、通常1年以上使用するもので取得価額が10万円以上となる場合には、原則として、
(借方)工具器具備品 ××円 / (貸方)現金預金 ××円
として固定資産に計上し、減価償却を行います。
ゴルフクラブなどのスポーツ用具は、耐用年数表では「娯楽・スポーツ器具」の「スポーツ具」に該当し、法定耐用年数は3年とされています。
ただし、一定の条件を満たす場合には、次のような方法を選択できることがあります。
- 10万円未満:購入した事業年度に全額経費
- 10万円以上20万円未満:一括償却資産として3年間で均等に経費計上する方法を選択可能
- 一定の中小企業者等で40万円未満:少額減価償却資産の特例により、一定の条件のもと購入した事業年度に全額を経費にすることが可能
- 上記の制度を利用しない場合:工具器具備品として資産計上し、耐用年数に応じて減価償却
10万円以上20万円未満の資産については、一括償却資産として3年間で均等に損金算入する制度があります。
また、青色申告をしている一定の中小企業者等については、2026年4月1日以後に取得する40万円未満の減価償却資産について、年間合計300万円を限度として、取得した事業年度に全額を損金算入できる特例があります。
そのため、例えば25万円のゴルフクラブセットを購入したからといって、必ず通常の減価償却をしなければならないわけではありません。
会社の規模や青色申告の有無など、条件を満たしていれば、少額減価償却資産の特例を利用して購入した事業年度に全額を経費にすることも可能です。
ただし、この場合でも、勘定科目については単純に「消耗品費」とするのではなく、固定資産台帳で管理するため「工具器具備品」として処理したうえで、少額減価償却資産として全額を損金処理する方法もあります。
なお、10万円・20万円・40万円などの金額を判定するときは、会社が採用している消費税の経理方法によって異なります。
税抜経理をしている場合は税抜金額、税込経理をしている場合は税込金額で判定します。
また、ゴルフクラブセットのように通常「1セット」で取引されるものについては、クラブ1本ずつではなく、原則として通常取引される1組・1そろいを単位として取得価額を判定します。
ゴルフ道具代の勘定科目の選び方の注意点
経費の勘定科目の選び方で気を付けることは「消費税の申告」をしているかどうかで異なります。
「消費税の申告」をしていなければ、勘定科目の違いだけで、支払う税金の金額が変わることは基本的にはありません。
一方、「消費税の申告」をしている場合、勘定科目だけでなく、消費税区分の設定にも注意する必要があります。
それは、消費税が課税処理される取引かどうかによる違いです。
「消費税の申告」をしている場合、以下の勘定科目は、会計ソフトによっては初期値が消費税が課税処理されない設定になっている場合がありますので、注意してください。
- 租税公課
- 保険料
- 減価償却費
- 給与手当
- 雑給
- 退職金
- 法定福利費
- 支払利息
- 賞与
- 退職金掛金
- 寄付金
消費税がかかっている支出にも関わらず、誤って消費税がかからない取引として処理すると、納める消費税が本来より多額になってしまう可能性がありますので、ご注意ください。
ゴルフ道具を国内のお店などから購入した場合には、通常、消費税が含まれています。
事業用として購入したものであれば、原則として仕入税額控除の対象となります。
また、高額なゴルフクラブなどを「工具器具備品」として資産計上する場合でも、消費税については減価償却するたびに控除するのではなく、原則として購入した時点の課税仕入れとして処理します。
ただし、インボイス制度(適格請求書等保存方式)のもとで仕入税額控除を受けるためには、原則として、帳簿と適格請求書等の保存が必要です。
参照URL: 国税庁:タックスアンサー No.6491 一定の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6491.htm
そして、何より注意したいのが、ゴルフ道具を購入すれば何でも会社の経費にできるわけではないということです。
会社の取引先とのゴルフや、会社の営業活動など、事業との関連性があることが前提になります。
社長や従業員が完全にプライベートで使用するゴルフクラブなどを会社で購入した場合には、単純に会社の経費として処理することはできません。
ゴルフ道具代を経費にする場合には、「誰が使うのか」「どのような目的で使うのか」「事業とどのような関係があるのか」を説明できるようにしておくことが重要です。
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佐藤 修一
税理士法人Accompany 代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716) 公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。 (株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。 全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。 総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。







